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【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的かつ非正統的な歴史書等をいいます。 現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

市民感覚で裁くなら裁判官はいらない

この国の腐敗が急に進んだわけではないだろう。
腐敗が見えてなかっただけなのだ。
腐敗が露わになったのは小沢一郎事件からである。
もちろんそれ以前から、この国の腐敗に目を向け戦ってきた人たちはいる。
しかし、わたしを含め多くの人たちは、それに目を向けてこなかった。
気がつかなかったのだ。

政・官・財のトライアングル。
せいぜいそんなものが漠然と見えていただけだったのだ。

しかしマスコミがいた。
それに学者たち。
そして検察。
そして裁判所まで。
次々と腐敗の構造が露わに見えてくる。
(以下、引用記事の下線はすべて筆者)

朝日新聞社説

小沢氏公判―政治家失格は明らかだ (asahi.com 2012年1月13日)
……
小沢氏の「秘書任せ」の弁明が通る余地があるのは、規正法が報告書の一義的な責任を政治家本人ではなく、会計責任者に負わせているからだ。

 その見直し問題は、長らく国会で放置されてきた。

 違反の言い逃れを封じるために連座制を強化し、政治家自身が責任と倫理を明確にする制度を確立すればよい――。

 19年前に出版した著書「日本改造計画」で、こう指摘したのは小沢一郎氏その人である。


それにしても19年前のことを持ち出すか!
国民を戦争に駆り立てた朝日新聞の過去の報道はどうなるのだ?
19年前はだめだが、70年前はいいのか?

産経はもっと凄い。

陸山会公判の最大ヤマ場 被告人質問 2日間の攻防 「報告なし」説得力は (産経ニュース 2012.1.11)
小沢被告は「相続財産が主な原資」としたが、昭和58年当時、産経新聞に「私の亡父は票田こそ残してくれたが、遺産はなかった」と説明したことがあり、齟齬(そご)が生じている。


昭和58年!
何年前のことだかにわかには計算できない。
昭和58年は調べてみると西暦1983年にあたる。
2012ー1983=29
何と、29年前である。

29年前の発言と現在の発言との整合性を問われてもなぁ……。

そして議論は、”感覚”の藪の中に入り込んでいく。

手元に億単位、私の感覚 4億円原資で小沢元代表(共同通信社 2012年1月11日)
元代表は用立てた4億円に関し、億単位の現金が手元にあることは「使い勝手や安全の意味で私の感覚」と述べた。

 不自然さを否定した元代表だが、市民感覚とは懸け離れた政治家の"常識"が示された形だ。


共同通信が市民感覚の持ち主だとも思えないが……。
”市民感覚”で人を裁くのなら裁判官は要らない!

もっとも共同がこう言うのも無理はない。
裁判そのものが”感覚”のレベルではいずり回っている。

裁判官の小沢氏に対する質問

【小沢民主党元代表 被告人質問】法廷でのやりとり(47ニュース・共同通信 2012年1月11日)
井下田英樹裁判官が「収支報告書や資産公開を見ていなかったということか」と質問を始めた。
井下田「4億円を用立てることは一般国民には理解し難い
井下田「融資申込書にサインした場面で、無言で持ってきてサインするとは不思議
井下田「4億円。普通の感覚では慎重になる」

質問者は平塚浩司裁判官に交代
平塚「陸山会の代表と個人とは別人格。貸し借りの意識がないとの主張は理解できない


自分たちの感覚と相容れない奴は有罪!
自分たちが”普通の感覚”の持ち主だと錯覚している。
単なる世間知らずに過ぎないのに。

彼らの主張の一つに、「現金があるのに利息を払ってまで借り入れをするのは不自然だ」というのがある。
どこの世界に、運転資金・手元資金をゼロにして商売している人間がいるか?
彼らにはそんな常識もない。

いつぞやタケシのお兄ちゃんがテレビのコメンテーターとして言っていた。
「現金があるのに利息を払ってまでお金を借りるなんて変ですよね」

彼は自分の常識が世界の常識だと信じて疑わない。

確定申告に税務署に行ったことがあるか?
税理士に任せられるのはまだまだ恵まれている人たちなのだ。
普段着姿の小母ちゃんたちが、帳面やチラシの裏に数字を書いたようなメモを持って並んでいる。
税務署の職員が一生懸命そろばんを入れてやっている。
「この書類が足りない」とか「あの領収書が足りない」と言われて何度も足を運ぶ人がいる。
旦那は申告書など見たこともない。

裁判官も検事もマスコミもタケシのお兄ちゃんも、多分こう考えるだろう。
「申告は旦那の名前で出すのに、見たこともないとはとうてい信じられない」

実際には、従業員が5人とか10人とかの零細企業の親父並の感覚でいる議員が大半だろう。
その彼らに上場企業並の会計報告を望んで、なおかつその詳細に責任を持て、と言ってるのが裁判官や検察やマスコミである。

議員は確かに恵まれすぎている。
しかしあんたたちだって庶民感覚からすれば、飛び抜けて恵まれているのだよ。
あんたたちに”市民感覚”だの”庶民の感情”などという言葉を使う資格はない!

高いお金を払ってあんたたちを雇っている余裕は、わたしたち庶民にはないのだ!



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コメント

>どこの世界に、運転資金・手元資金をゼロにして商売している人間がいるか?
>彼らにはそんな常識もない。

 これだけで裁判官の攻撃に理がないことがよくわかります。
 難癖、いちゃもん以外の何ものでもない。

>「申告は旦那の名前で出すのに、見たこともないとはとうてい信じられない」

 重要なのは申告の内容、ウソがないかであって「誰が」出したかではない。土地取引自体に隠蔽の意図はなく、お金を払った時点で成立とみなすか権利が移転した時点で成立とみなすかといったようなほとんど解釈の違いでしかない。
 仮に正しくなかったとしてもそれは修正すれば済むことであり、事実、政治資金規正法では小沢一郎以外の議員は修正で事が収まっていた。

 ここまで執拗に小沢一郎を晒し者にするのはどう考えても異常である。

  • 2012/01/15(日) 12:58:57 |
  • URL |
  • junk_in_the_box #-
  • [ 編集 ]

市民感覚で裁くなら、裁判所そのものが必要ないですね。そもそもにその市民感覚というのが問題です。結局、マスコミがリードしているのが彼らがいう市民感覚で、戦前は散々戦争を煽って、戦争に反対する市民を非国民にして、口を封じてきたのでした。

  • 2012/01/16(月) 08:56:46 |
  • URL |
  • らむちゃのパパ #GCA3nAmE
  • [ 編集 ]

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