学術会議6人任命拒否。
安倍晋三でさえ二の足を踏んでいたのに、いとも無造作に踏み込んでしまった菅義偉。
安倍以下の政治センスの持ち主だった。
これまでは安倍の陰に隠れて馬鹿を露呈せずに済んでいただけだった。
違憲・違法を追求された菅はびっくりした。
なんで非難や批判されるのか理解できなかったからだ。
当然繰り出す弁明は支離滅裂、ただひたすら墓穴を広げるばかりである。
言い訳① 総合的・俯瞰的観点から
総合的・俯瞰的に見て、どうして6人を特定できるのか。
石を投げたら6人に当たった、とでも言うのだろうか。
言い訳② 内閣法制局の適法という解釈がある
内閣法制局はいわば顧問弁護士とか企業の法務部のようなもの。
政府の内部あるいは手下に過ぎない。
独立性も中立性もない機関である。
子分がいいと言ったからやったんだ、という馬鹿な親分。
法制局は衆議院にも参議院にもある。
こちらのほうが余程中立性・独立性がありそうだ。
言い訳③ 推薦名簿は見ていない
錯乱の極みである。
だれが、どうして、6人を特定し削除したのか。
言い訳にもなっていない。
言い訳④ 会員構成のバランス
地域、出身大学・年齢・男女比に偏りがある。
学術会議の方に問題があるという攻撃に転じたが、どれも無理筋。
地域格差は大学の分布に関連するし、旧7帝大出身者が多くなるのも大学の学問水準が大きく関係している。
女性の比率も、菅内閣の比率よりもずっと高いと指摘されて以後は言わなくなってしまった。
若い人が少ないのは当然である。学術会議の会員たるもの、その分野において「功成り名遂げたもの」である。
それだけの年月が必要である。
その権威があって、学問の自由独立を守る力を発揮できるのだ。
言い訳⑤ 前例踏襲を打破する
前例や規制はそれなりの必要があって残っているものも多い。
もしそれを廃するならば、必要な法改正を行ってやるべきである。
たとえ正当な理由があったとしても、法を破ってはいけない。
「法をもって理を破るとも、理をもって法を破ることなかれ」
これは徳川幕府の基本法典である「武家諸法度」に盛り込まれた文言である。
法治主義とはそういうことであろう。
400年前の為政者に遥かに劣る現代の為政者の姿は見るに堪えない。
もっとも小泉政権以来、法改正を経て行った規制緩和や撤廃にも酷いものが多すぎる。
最悪なのは人材派遣に関するものである。
不安定な勤務形態を合法化し、結婚もできない、子供も持てない若者を飛躍的に増加させ、日本という国の形をポロボロにしてしまった。
ほかにも枚挙にいとまがないが、いったん筆をおく。