この政権たらい回しに正統性はあるのか、と多くの人が思っていた。
今考えると、現在の民主党に比べればずっと正統性はあった。
自民党政権を肯定しているのではない。
全部が同じ穴の狢であったというだけである。
トップが代わっても、政党としての同一性は保たれていた。
そこに辛うじて、たらい回しの正統性が成り立っていた。
09年の衆院選は鳩山由紀夫代表・小沢一郎代表代行で戦い、政権を取った。
(実際には小沢一郎代表の敷いた路線であった)
国民は彼らと彼らのマニフェストに投票したのである。
菅直人が次の代表になったとき、官の正統性はそのマニフェストと鳩山・小沢路線の枠内にとどまっていたはずである。
もし、その枠内から飛び出すならば、そこで民意を問い直さなければならなかったのである。
消費税を言いだすならば、自分が民主党を飛び出して国民にそれを訴えなければならなかったのである。
野田がキチガイみたいに消費税にのめり込んでいるが、それを言うのなら民主党を出て行かなければならないのである。
野田は消費税に政治生命を懸けるとか命を賭けるとかいっている。
言うのは勝手だが、そんなゴミのような政治生命を賭けたからと言ってだれも驚いてはくれない。
谷垣も、思い出したように話の途中で所々で語気を強めるが、だれもまともに聞いてはくれない。
自民・谷垣総裁「反対派と決別を」 消費税関連法案めぐり解散要求 (産経ニュース 2012.3.29 )
「首相が不退転の決意でのぞまれるというなら、反対派と決別し、その上で解散権を行使して、消費税を公約に掲げて堂々と信を問うべきだ」
「あんな嫁はさっさと追い出せ!」
「そんな息子はさっさと勘当しろ!」
結局、よその家族のなかに手を突っ込んで騒いでいるだけである。
みっともいいものではない。
よほど小沢を切らせたいようだが、谷垣はもっと正確に言わなければならない。
「首相が不退転の決意でのぞまれるというなら、反対派と決別し、民主党を出て、その上で解散権を行使して、消費税を公約に掲げて堂々と信を問うべきだ」
野田としてはこれが最も正しい方策である。
谷垣は本当はこう言うべきなのだ。
『消費税を上げたいのなら、民主党を出て、自民党に来なさい。大歓迎する』
そのとき『内閣総理大臣の肩書きは一ヶ月間は保証してあげるよ』と一言つけくわえておくことを忘れないように!
1ヶ月もつかどうかは分からないが、”谷垣+野田の自民党”対”小沢民主党”の戦いはわかりやすくていいのではないか。
”消費税+TPP+原発推進+既存統治機構維持”対”消費税反対+TPP反対+原発反対+統治機構の革命的改革”
野田にそこまでの潔さはあるまいが、どうせ野田は早晩のたれ死ぬ。
次も民主党が総理大臣を出そうとするなら、正統性を持つ人物は小沢一郎しかいない。
8年で8人の総理大臣。
ここまで来たら一人二人増えてもどうということはない。
総選挙時の民主党と現在の民主党とでは政党としての同一性を失っている。
たらい回しは許されない。
唯一許されるのは小沢一郎だけなのである。
小沢一郎が総理大臣になったとき、民主党はようやく正統性のある総理大臣を持つことになる。
民主主義の確立のために!

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