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【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的かつ非正統的な歴史書等をいいます。 現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

民主党と外務省が国を売る…アメリカが警戒するのは小沢一郎だけ

「日本は全ての物品サービスを(TPPの)貿易自由化交渉のテーブルに乗せる」
野田がオバマ大統領に対して言ったとされるこの言葉が問題になった。

アメリカ側が事実と違う発表をしたのであって、わたしは言っていない。
それはアメリカ側も認めた。
しかし、訂正を求めることはしない。

これが我が国の内閣総理大臣の姿である。
こんな総理の姿勢に対して、民主党内からはさっぱり批判の声があがらない。

朝日がウィキリークスによる漏洩文書を公表している。
珍しくいい仕事である。

そのなかから一つ取り上げたい。
09年8月7日という日付がある。
政権交代が目前に迫っていた総選挙前の分析である。

民主党幹部は日米同盟に好意的、と分析 米公電訳

09TOKYO1811
発信地:東京 日付 2009/8/7 分類:秘

「民主党に見る、選挙前の対米観の多義性について」

6.民主党の外交、安保政策の専門家の中には、一般的に米国と日米同盟に好意的な立場を示す有力者が多い。彼らの中で、小沢一郎は、かつては政治家人生において同盟への理解者だったが、最近は国内政治における人気集めのために、反米的な外交政策(の公表)を利用している。現在の民主党代表の鳩山由紀夫(スタンフォード卒業生)も、岡田克也・幹事長も、前原誠司・副代表も保守的なバックグラウンドを持ち、一般的には親米的な立場を支持してきた。米国と緊密に協調してきた、他の民主党指導層には、長島昭久(党幹事長代理、SAIS卒業生)、渡辺周(党幹事長代理、コロンビア卒業生)、末松義規(青少年問題特別委員長、プリンストン卒業生)、榛葉賀津也(中東専門家、オベリン卒業生)、白真勲(影の内閣外務副大臣、朝鮮日報日本支部の前代表、公私で頻繁に訪米経験あり)がいる。


この時点では小沢一郎は党代表を退いているが、真っ先に小沢一郎を取り上げているのは興味深い。
「最近は国内政治における人気集めのために、反米的な外交政策(の公表)を利用している。」
この辺は、やや失礼な表現であろう。
が、とにかく小沢一郎は邪魔なようだ。
作成者もまさかこんなものが公になるとは思いもしなかっただろう。

7.安保・外交の専門家ではない者でも、日米同盟や米国に好意的な立場を維持している有望株が多く舞台裏で我々の目的を推進する上で、(都合の)良い立場にいる。この中には、山岡賢次(略)、安住淳(略)、枝野幸男(略)、玄葉光一郎(略)、仙谷由人(略)、野田佳彦(略)、小沢鋭仁(略)、松野頼久(略)、福山哲郎(略)がいる。山岡、安住、福山は、現在の自民公明連立政権と交渉する能力の高さでよく知られている。枝野、玄葉、仙谷、野田は民主党の岡田幹事長と近い関係にある。小沢(鋭仁)と松野は鳩山代表の側近であり、東京大使館とも密接に連携している。
(下線筆者)

ここに山岡賢次が入っているのは少々意外であるが、その他はいかにもという連中である。
野田政権の主要メンバーが網羅されている。
これではアメリカに抗議など思いもよらない。

「舞台裏で我々の目的を推進する上で、(都合の)良い立場にいる」連中ばかりである。
野田内閣こそ、究極の「アメリカにとって都合のいい」内閣なのである。

米国との一層の関与を求める民主党指導層の支持の表れとして、メディアは8月1日、鳩山が国連総会とピッツバーグサミットへの参加に意欲を示したことを報じた。××は東京大使館に「民主党はこの二つの場を、鳩山がオバマ大統領と個人的で関係を構築する良い機会だと捉えている」と述べた。

ズムワルト


鳩山などは、始めから足下を見透かされていた。
アメリカが強気に出るのも当然である。

この公電の作成者ズムワルトという人物は、現在、米国大使館主席公使つまり駐日アメリカ外交団のナンバー2である。

wwwj-zumwalt.jpg
日本勤務は過去4回あり、米国大使館経済担当公使(2004-06年)、同経済担当参事官(2002-03年)、同経済担当官(1989-93年)、在神戸領事館(現、在大阪・神戸総領事館)副領事(1983-85年)を務めた。また、在中国米国大使館経済担当公使(1999-2002)、在ザイール共和国(現コンゴ民主共和国)米国大使館経済担当官(1981-83年)も務めた。

 ワシントンでは、国務省東アジア・太平洋局フィリピン部、同韓国部、同局長(次官補)室、経済・ビジネス局でも勤務したほか、米国通商代表部日本・中国課にも出向。日本語に堪能で、中国語、フランス語も話す。

 1998年にナショナル・ウオー・カレッジで修士号(国際安全保障学)、1979年にカリフォルニア大学バークレー校で学士号(米国史と日本語)を取得。また、国務省入省前に東京外国語大学および国際基督教大学で日本語を学んだ。

 カリフォルニア州エルカホン出身。夫人のアン・カンバラも国務省の外交官。
(米国大使館ホームページより)


こういう人物に、”都合のいい”政治家と評される連中が日本の政府の中心を占めている。

TPP参加協議「参加国から歓迎の意」成果強調 (産経ニュース 2011.11.14)

バカは死ななきゃなおらない。
相手に気に入られて喜んでいる外交担当者は、自ら外交官失格を証明しているようなものである。
有能な外交官とは相手に嫌がられる交渉者である。
外務省もことアメリカ追従では年季が入っている。
アメリカに気に入られた奴だけが出世する外務省ではまともな外交などできるはずがない。

日本の政府も外務官僚もアメリカに気に入られることばかりを心がけてきた。
が、それにしても野田内閣はひどすぎる。
この政権はすぐにも潰さなければならない。
グズグズしていると、国をまるごと売られてしまう。



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