【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的かつ非正統的な歴史書等をいいます。 現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

こちらも恐ろしいことになっている…今度は、独法・日本原子力研究開発機構”もんじゅ”

高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の危機は終わっていなかった。

運営主体は「独立行政法人・日本原子力研究開発機構」である。
機構は、毎年2000億円近くの国からの様々の交付金で運営されている。

前身は”動力炉・核燃料事業団”、”日本原子力研究所”である。

独立行政法人・日本原子力研究開発機構 HPより
性能試験再開(炉心確認試験)
「もんじゅ」は、平成7年の性能試験中のナトリウム漏えい事故後、運転を停止していましたが、平成22年5月6日に性能試験を再開しました。プラントが長期間停止していたことを踏まえ、約3年間の予定で三段階に分けてより慎重な手順を踏んで性能試験を行っています。
その第一段階として、5月6日から7月22日にかけて、ほぼ0%出力で約2ヶ月半の「炉心確認試験」を行ってまいりました。制御棒の効き具合の確認など、原子炉の基本的な安全性が確保されていることを確認しました。また、試験では、臨界性や温度係数といった炉心特性など、高速増殖炉の実用化に向けて貴重な試験データを取得することができました。今後は、「40%出力プラント確認試験」そしてその後、100%出力を達成する「出力上昇試験」と、段階的に出力を上げて試験を実施する計画です。性能試験の実施に当たりましては、安全を最優先に透明性を確保し、実施してまいります。


ナトリウム漏洩事故後15年かけてようやく昨年、再開にこぎつけた。

「安全を最優先に透明性を確保し、実施してまいります」!

まさかあれだけの事故を経験しているのだ。
この言葉に嘘はないだろう、と普通は思う。

「もんじゅ」驚くべき作業ミス 制御棒の操作方法知らなかった (J-CASTニュース 2010/5/13 )
ナトリウム漏れ事故が原因で運転を停止していた高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が運転を再開して、2010年5月13日で丸1週間を迎えた。14年5か月ぶりの運転再開だが、警報機の誤作動や、制御棒の作業ミスなどのトラブルが続出している。
……
トラブルは運転再開初日の5月6日から起きた。同日夜から翌5月7日にかけ、3台ある放射性物質検知器のうち1台が計6回にわたって、誤作動して警報を出した。ところが、もんじゅを管理する日本原子力研究開発機構は、5月7日午前10時の定例会見で発表せず、周辺自治体などから批判をあびた。
さらに、5月10日夜には、出力を下げるための制御棒の操作でミスが発生した。


機構側の決意とは大違いではないか!
そしてついにやってしまった!

例によって日本原子力研究開発機構の発表はそっけない。

『平成22年8月26日に発生しました燃料交換作業の後片付け作業中に発生した炉内中継装置*のトラブルにつきましては、皆様に大変ご心配をおかけしています。』

トラブルには違いないが……。
事故を報じるニュースは少ない。

作業ミス続出に「落下事故」 「もんじゅ」運転再開できるか (J-CASTニュース 2010/8/30 )
今回トラブルが起きたのは、核燃料を交換する作業をめぐってだ。「もんじゅ」を管理する日本原子力開発機構の発表によると、8月11日から17日にかけて、原子炉内の核燃料の一部を新品に交換した。8月18日、交換作業に使った「炉内中継装置」(ステンレス製、長さ12メートル、直径55センチ、重さ3.3トン)を撤去しようと、原子炉容器内でつり上げる作業をしていたところ、2メートルつり上げた時点で重量表示がゼロになり、衝撃音が発生。容器内を目視することはできないものの、中継装置が原子炉容器内に落下したのは確実だ。

落下事故で試験開始大幅遅れも もんじゅ運転再開から半年 ( 47NEWS ・ 共同ニュース 2010/11/05 )
 落下したのは燃料を運ぶ重さ3・3トンの「炉内中継装置」。高さ2メートルまでつり上げた所で落ち、これまで2回の回収作業はいずれも警報が鳴動して中断した。落下の衝撃で装置の一部が変形した可能性が高く、不透明な金属ナトリウムで満たされた炉内からの回収作業は難航が予想される。


機構も仕方なくか、嫌々か分からないが、とにかく中間報告というのをだした。
長々と弁解を続けて、最後にこう結論づけている。

中間報告
平成22年10月 1日


『以上により、原子炉容器から炉内中継装置本体を安全に引き抜くことが可能であると判断した。』

しかしながらこれまで装置の抜き出し作業はすべて失敗に終わっている。
ほぼ絶望ということであろう。
機構としてもなすすべなし、にっちもさっちもいかないというところである。

外部識者が回収法検討/もんじゅ装置落下事故 (Shikoku news 2011/01/18 )
原子力機構によると、機械工学が専門の大学教授ら7人で構成し、会合には文部科学省幹部も出席。事故前の状態への復旧を目指す今秋まで会合を数回開き、同機構の回収計画や、2011年度内の実施を目指す「40%出力試験」への技術的課題を検討、同機構に助言する。


ついに自力回復を断念したようだ。
それとも責任の分散を企んだのか?

そして未だに何の進展もない。
原子炉の中に「炉内中継装置」(ステンレス製、長さ12メートル、直径55センチ、重さ3.3トン)が嵌ったままになっている。
これを抜き出せなければ、原子炉を動かすこともできず、廃炉にもできず、このまま数十年巨額の経費をかけて監視を続けていくことになる?

停止中も維持費に1日5500万円とか! 

参考
Blog vs. Media 時評・高速炉もんじゅに出た『生殺し』死亡宣告

笑い事ではないのが次の記事。

新理事長がもんじゅで訓示/「安全で確実な運転を」
 17日付で就任した日本原子力研究開発機構の鈴木篤之理事長は19日、高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)を訪れ、職員ら約300人に「安全で確実な運転をお願いしたい」と訓示した。

 鈴木氏は「安全には現場の取り組みが一番大事」と強調。「世界の原子力を左右する緊張感に耐え、成功を遂げてほしい」と呼び掛けた。

 鈴木氏は東京大教授などを経て、2006年4月に原子力安全委員会委員長に就任、今年4月に退任した。


原子力安全委員会といえば、原子力委員会と並ぶ日本の原子力発電を管理監督する最高機関である。
その委員長が、管理監督される側の「日本原子力研究開発機構」の理事長に入り込んでいる。

東大教授→原子力安全委員会委員長→日本原子力研究開発機構理事長!

その他役員

理事 戸谷一夫   文科省大臣官房審議官(高等教育局担当)
 
理事 片山正一郎  内閣府原子力安全委員会事務局長

理事 三代真彰   原子力安全・保安院次長

監事 牛嶋博久   会計検査院第4局長


11人いる役員のうち5人が天下り。

これでは全部が身内同然ではないか。
監視も管理もできるわけがない。
”みんな仲間”では緊張感も責任感も生まれない。

この国が「原子力発電所」を持つのは、100年早い。
原発事故は人間が起こしている。
こんな奴らばかりでは、事故が起こるのは当たり前であろう。

原子力発電を続けるというのであれば、少なくとも原子力部落共同体を徹底的に壊してからの話である。
この共同体の住人は、役人・独法・電力会社・企業(日立・東芝・三菱重等)・大学(特に東大)・マスコミである。

なお、前回ナトリウム漏洩事故で一人、今度の落下事故で一人、合わせて二人の自殺者が機構から出ている。



昨年までの記事は下記にてご覧下さい。
http://blog.goo.ne.jp/yamame1235


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