fc2ブログ

【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的かつ非正統的な歴史書等をいいます。 現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

菅直人のトラウマが言わせた「疎い」…笑わせるダボス出席!

トラウマを抱えた総理では、国を誤る。
菅の”経済トラウマ”は重症である。

菅直人が、経済無知をさらけ出したのは昨年の予算委員会の場であった。

2010年1月26日の参院予算委員会でのことである。
副総理兼財務大臣の菅直人は、乗数効果について質問されて、なんとか話をごまかそうと躍起になっていた。
たびたびの中断の後に、消費性向という言葉を自分から持ち出したのだが。
すかさず質問者の林芳正議員に、乗数効果と消費性向との関係を質問されて立ち往生してしまった。

菅はよほど悔しかったのだろう。
一念発起して経済学の勉強に挑戦したようだ。
サミュエルソンの「経済学」を買ったというニュースが報じられた。

41TMC1ZYZWL__AA115_.jpg


41QQ4FGZMHL__AA115_.jpg

上下合わせて1000ページの大冊である。

因縁の「菅・林」対決 菅氏、経済教科書「10ページだけ読んだ」 (iza 産経新聞 2010/03/03 )
一方、林氏はノーベル経済学受賞者の故ポール・サミュエルソン氏の代表作「経済学」を最近購入したという菅氏に「読んだか」と問うた。同書は上下巻で1千ページ近いが、経済学を学ぶ大学生の教科書とされる。菅氏は「10ページだけ読んだ」と述べ、失笑を買った。


菅直人の馬鹿なところは、そんな難しい本を買うところである。
「マンガ・小学生のための経済学」、「猿でも分かる経済学」なんて本を探すべきだったのに。
サミュエルソンが、自分に理解できるかどうかも分からない男である。

そんな風だから、経済の話を聞いても何にも理解できない。
そこで助っ人として見つけてきたのが与謝野馨であった。
与謝野の与太話も、菅にはなにやら崇高な理論のように感じられたのだろう。

しかしバカはバカでしかない。

国債格下げ 菅首相「そういうことに疎いので…」 (産経ニュース 2011.1.27 )
菅直人首相は27日夜、米格付け会社「スタンダード・アンド・プアーズ」が日本国債の長期格付けを「AA」から「AAマイナス」に引き下げたことについて「初めて聞いた。本会議から出てきたばかり。そういうことには疎いので、改めてにしてください」と回答を避けた。


よほど懲りていたのだろう。
「知らないことは知らない」と言った方が怪我が少ないと悟ったと見える。
だが用心のあまり、さらに墓穴を広げてしまった。
国債頼りの予算を組んでいて、「そういうことには疎い」はないだろう。

その後の言い訳の醜さも顔を背けたくなるひどさである。
バカ嫁まで応援にしゃしゃり出てきた。

菅首相夫人「疎いじゃない、知らなかったと言うの!」 (asahi.com 2011年1月30日 )
日本国債の格下げをめぐり、菅首相が「そういうことに疎いので」と発言、批判を浴びたことについて、「『疎い』なんて言うんじゃない、『知らなかった』と言うんですよ、と(首相に)言いました」とぴしゃり。


それもこれも林議員に掻かされた恥の後遺症であろう。
なんとかトラウマ治療の一助にと、だれかが考え出したのがダボス会議(世界経済フォーラム)出席である。

しかし、間の悪い男である。
世界に恥を広げに行ったようなものである。
「釈迦の説法、屁一つ」ということわざがあるが、菅は「説法」の前に”屁”をひってしまった。
役人に書かせた演説原稿を読むだけのことだが、前日にバカを改めてさらしておいて誰がまともに話しを効いてくれるか!

朝日はこんなことでも精一杯菅を持ち上げている。

ダボス出席―首相が「開国」の先頭に 【朝日社説 2011年1月31日付】

ダボス会議の真骨頂は、公式・非公式の会合を通じ、世界の知的リーダーたちが交流を深める点にある。今回、首相も不十分ながら、その輪に加わったのはよかった。

 アナン・前国連事務総長、ノーベル経済学賞受賞者のスティグリッツ・米コロンビア大学教授、オバマ政権の経済運営の司令塔を務めたサマーズ・前米国家経済会議議長ら10人程度の有識者を招いて懇談したほか、米国人投資家のジョージ・ソロス氏とは個別に会談し、インドネシアの森林保全事業で協力を確認した。


ノーベル経済学賞受賞者が入っているところなどはお笑いである。

ところで、ダボス会議というものは民間の組織である。
国会開催中にわざわざ出かけていくほどのものではあるまい。
それを押して出かけるというのなら、それなりの仕事をしてこい。

ダボス会議出席の李大統領、各国首脳と相次ぎ会談  (韓国政治ニュース wow Korea 聯合ニュース )
【ダボス28日聯合ニュース】世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)に出席するためスイスのダボスを訪れている李明博(イ・ミョンバク)大統領は28日、同会議に出席している各国首脳と相次ぎ2国間会談を行い、相互協力案を議論した。

カナダのハーパー首相と会談し……
スイスのロイトハルト大統領と会談し……
スペインのサパテロ首相、ヨルダンのアブドラ国王とも会談し……

このほか、独シーメンスのレッシャーCEO(最高経営責任者)と……
李大統領は29日にはイスラエルのペレス大統領と首脳会談し……中東情勢など国際情勢について意見を交換する。
米シスコシステムズのチェンバーズ会長兼CEO、マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ会長と会談、CNNのインタビューも予定されている


日経によると、菅のダボス出席を後押ししたのは古川元久前官房副長官らしい。
この程度のやつではこの程度のお膳立てしかできない。

経済音痴に加えて外交音痴ぶりもさらけ出してしまった。
まさか菅直人も自分のお粗末な演説が出席者の拍手喝采を受けるとは考えてはいなかったろう。
菅にとって大事なことは、世界経済フォーラムに出席したこと、そこで演説をしたこと、ノーベル経済学賞受賞者と会談したことを国内向けに報道してもらうことだった。

”経済学トラウマ”と”小沢憎し”が菅を駆り立てている。
恥辱と憎悪。
総理大臣のこの恐るべき精神状態には、ほんとに背筋が寒くなる。

菅直人には国民のために、退陣ではなく、議員辞職をお勧めする。
そして中途でやめてしまったお遍路とサミュエルソンの残りの980ページに再挑戦してはいかがか?

しかし、菅の次が前原だの岡田だのという声を聞くとますます気持ちが萎える。



昨年までの記事は下記にてご覧下さい。
http://blog.goo.ne.jp/yamame1235

民主主義の確立のために!
人気ブログランキングへ
↑ ご面倒でもクリックをお願いします



古書 那珂書房




次のページ